呼吸器内科ローテートが初めての先生へ!効率よく学ぶためのポイントを解説!

【はじめに】

初めての呼吸器内科のローテートが始まる前に、どのようなことを研修できるのか知っておくと有意義な研修ができると思います!

初期研修医の先生が、新しい診療科へ行く前は、楽しみな反面、不安もあるかと思います。

そこで、この記事では、呼吸器内科ローテートで学ぶべきポイントを簡潔にまとめることで、効率よく研修期間を過ごすためのヒントをいくつかご紹介していきます!

呼吸器専門医としての経験を元に、なるべく簡潔に記事にしますので、ぜひローテート前に一読し、お役立てください!

呼吸器内科で学ぶべきこと

呼吸器内科は、肺や気道に関する疾患を扱う診療科です。多岐にわたる疾患を扱うため、学ぶべきことはたくさんありますが、初期研修医のローテートとして特に重要と考えられるポイントを以下にまとめました。

呼吸器疾患の基礎知識

肺炎の診療を学ぶ

どの診療科に進んでも必ず必要になるのが、肺炎の診療です。肺炎を疑った時に出すべき検査、初期対応、基本的な治療の流れについて経験しましょう!

起炎菌を同定する方法について、例えば喀痰検査、尿中抗原検査の確認(肺炎球菌、レジオネラ)や、マイコプラズマ肺炎、新型コロナウイルス肺炎などの様々な肺炎の検査、診断について学んでおくといいです。

常に肺結核を鑑別に挙げる

肺結核の診断、治療について学びましょう。特に肺結核を疑う症例での初期対応、強く疑う患者を入院させる時の対応については必須です。

間質性肺炎

間質性肺炎を併存している方や、経過中に発症してくるケースは増えてきています。ローテート中に鑑別診断、診断方法、急性増悪時の対応を学んでおきましょう。

肺がん

初診時からの検査~診断に至るまでのプロセスや、治療法、予後について学びましょう。

特に、肺がん診療は、免疫チェックポイント阻害薬の導入が進んでいる領域なので、免疫チェックポイント阻害薬について学んでおくといいです!

気管支喘息、COPD

診断、急性期と維持治療について学びましょう。

気管支喘息やCOPDがある患者さんは多いため、内科医なら必ず初期対応を知っておくべき疾患です。呼吸器ローテート中に、気管支喘息やCOPD増悪の症例がきたら、積極的に診療に加わり学びましょう!

気胸

ローテート中に症例に遭遇したら、ドレーンの挿入や管理を学ぶいい機会です。積極的に担当していきましょう!

胸水貯留の原因検索、胸膜炎や膿胸

胸水貯留を認めた際に、胸水穿刺を行い、出すべき検査について確認をしましょう。

また胸膜炎や膿胸の症例がいたら、積極的に診療に加わりましょう!

検査・手技

画像診断

胸部X線、CT、MRI、PET-CTの読影を学びましょう。

生理検査

肺機能検査の見る項目について、最低限でいいので確認しておきましょう。外科系に進む方は、術前に肺機能検査のオーダーをするので、確認しておきましょう。

侵襲的検査

胸水穿刺、胸腔ドレナージ、気管支鏡検査などの手技を、ぜひローテート中に経験しましょう!

治療

薬物療法

抗生剤、ステロイド、気管支拡張剤などの薬剤の使い方を学びましょう。

非薬物療法

酸素療法、、ネーザルハイフローなどの非侵襲的人工呼吸器管理を学べるといいです。

緩和ケア

呼吸器疾患の末期患者への緩和ケアについて経験ができたらいいです。

診療の姿勢

患者とのコミュニケーション

患者さんの話を聞き、病歴を集め、困っていることを確認していきましょう。医師としての基本的な姿勢を大事に研修していきましょう。

多職種でのチーム医療の実践

呼吸器内科では、他の診療科、コメディカルスタッフと協力しながら診療をする機会が多いです。直接コミュニケーションをとりながら診療をする姿勢を大事にして研修をしてほしいです。

ローテート中に効率よく学ぶためのポイント

ローテート中に、症例を経験できるかどうかは、残念ながら運次第です。症例を経験できないことのほうが多いと思いますので、せめて書籍などで知識だけでも学んでおくといいでしょう。短いローテート中に効率よく学ぶためのポイントを列挙してみます。

カンファレンスの利用

他の先生が症例提示した症例からも学ぶべきことがないか意識しておきましょう。

書籍・ガイドラインの活用

呼吸器内科の書籍やガイドラインを参考に、基礎知識を確認していきましょう。

症例報告の活用

担当した患者のサマリーを作成し、自分の言葉で治療経過を説明できるようにしましょう。

上級医、指導医への質問

わからないことは積極的に担当の指導医に質問しましょう。

臨床経験を積みたい方は秋~冬にローテートしましょう

呼吸器疾患は、秋~冬場にかけて多くなります。この時期には、特に肺炎、喘息やCOPDの悪化で入院する症例が増えていきますので、経験症例を増やしたい方はとても勉強になります。

まとめ

呼吸器内科疾患は医師になって必ず遭遇する疾患ばかりです。なので、呼吸器内科を全く考えていない先生方でも、ローテートすることをお薦めします!

研修中は、学ぶことはたくさんありますが、焦らず一つ一つ着実にステップアップしていきましょう。このブログ記事が、あなたの呼吸器内科ローテートの一助となれば幸いです。

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