【はじめに】
初期研修医の先生や、内科専攻医の先生方で、専門科をどこにするか悩む先生方は多いです。自由に進路選択をできるため、決めきれずに悩むパターンが多いです。
医師としての将来を決める選択になるので、専門性を決める際に慎重になったり、不安になるのは当然のことです。
私自身も初期研修医の頃は、内科系で決めていたものの、どの専門に進むのかは非常に迷った医師の一人でしたから、初期研修医や内科専攻医の先生方が進路に悩む状況は懐かしく思い話を聞いています。
進路を決める際に、他の先生がどのように進路を決めたのかを知りたくなりますよね。自身の進路決定の参考にできるので貴重な情報になります。そこで、この記事では、私自身が呼吸器内科を専門にしようと決めた理由についてまとめます。
この記事を読むことで、皆さんの進路決定の参考になります。特に呼吸器内科に進もうか悩んでいる先生方の参考になりますので、ぜひ一読くださいね!
私が呼吸器内科を考え始めたきっかけとなったこと
私が呼吸器内科を選んだきっかけについて、私の経験を振り返りお伝えします。
1)医学生の病院実習で
臨床実習で呼吸器内科をローテートした時に、気さくで、温厚そうな先生方が多かったこと、気管支鏡検査に楽しく取り組まれているシーンをみて好印象があったことが挙げられます。呼吸器内科医は、総合診療医的な側面が強く、”内科医”のイメージに合っているな~って感じた診療科でした。
偶然かもしれませんが、気管支鏡検査を楽しく協力しながら行っているシーンをみて、楽しく仕事ができたらいいよな~って漠然と感じていました。
2)初期研修での呼吸器内科ローテーションで感じたこと
私が初期研修をした病院の呼吸器内科は、個性とクセの強い先生が多く、どちらかというと不人気な先生が多い代表的な診療科でした(笑)。なので、その病院の初期研修医が呼吸器内科に進む先生は少ない状況でした。
私の呼吸器内科ローテートでの指導医も、クセが強い先生でした。ですが、研修中は指導医にホウレンソウをしっかりすれば、先生の好きなような診療をしていいよっというスタンスでしたので、医師としての責任感とやりがいを感じながら診療をすることができました(初期研修中って、主治医として診療できると嬉しいんですよね)。ですが、指導医に対しホウレンソウができていなかったり、患者把握が不十分であった場合には、厳しめに注意と指導を受けました。
呼吸器内科の雰囲気やクセが強く院内からは不人気な先生が多い状況でしたが、呼吸器内科ローテートで感じた仕事自体には、なんとなく好感をもっており、呼吸器内科医もいいなって感じていました。
3)肺癌に対する新しい治療薬が出てくるタイミングであった
私が初期研修中に、ちょうど免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボが日本でも使用できるようになり話題になっていました。肺癌では他の癌に先行して免疫チェックポイント阻害薬が導入されており、現在も進歩が速い分野です。また肺癌の遺伝子変異(EGFR遺伝子変異)に対する治療薬をきっかけに、治療薬の開発が進んでいこうとする時期でした。
他の領域に比べ、予後の悪い肺癌の診療が
- これから良い方向に変わっていくのではないかという期待感
- 医学の発展の中に身を置いて臨床医ができる
- 今後肺癌の治療が発展していく時代の中で診療ができる
ということを肌で感じ、私の中で、呼吸器内科が選択肢になっていました。
私が呼吸器内科を専門に決めるまでの経緯
以上のようなことがきっかけで呼吸器内科での専門医研修に進もうかと考え始めていました。
最終的には、呼吸器内科の医師不足、社会的なニーズの高さ、将来働く先に困らないだろうこと、総合内科的な診療科、急性期~慢性期まで対応できること、適度な手技があること等々を総合的に考えて、自身の内科医としてのイメージにも合う診療科だと考え、呼吸器内科を専門にすることを決めました。
実際に呼吸器内科医になり10年以上経過し月日が過ぎましたが、これらのことは、その通りだと感じています!
患者さんと深く関わり、その人らしい医療を提供したいという思い、幅広い疾患に対応できる専門性の魅力、そして社会貢献への想いなど、今思うと多岐にわたります。
他の先生方が呼吸器内科を専門に選んだ理由を紹介
私が呼吸器内科を専門に選んだ理由を解説してきました。
おそらくこの記事を読んでくださっている先生方は、これからの進路に悩んでいる状況だと思います。そこで、私の経験談以外にも、今まで出会った呼吸器内科医から聞いた「呼吸器内科を専門にした理由やエピソード」をご紹介していきます!
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総合診療医に近い診療科だから。全身を診れる内科医になりたいから
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医師が不足している診療科だから
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循環器内科ほど時間外の緊急対応が少ないから
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病態の解明や治療法の開発があまり進んでいない分野だから
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上の先生に熱心に呼吸器内科に勧誘されて嬉しかったから
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部活やサークルの先輩がいたから
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将来、開業する選択肢もとれるから
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気管支鏡が楽しそうだから
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手技があまり得意ではない。手先が器用ではないから
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診療と手技のバランスがいいから
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患者さんとじっくり向き合うことができる診療科だから
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呼吸器内科が扱う病態は幅広く、それぞれに専門性があるから
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肺癌の診療をしたいから
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自身が気管支喘息もちで、世の中の役に立ちたいから
私が思う呼吸器内科の魅力
呼吸器内科の魅力については、下記の記事にまとめています!ぜひ一読ください!
まとめ
この記事では
- 私が呼吸器内科を考え始めたきっかけ
- 呼吸器内科を専門に決めるまでの経緯
- 他の先生方が呼吸器内科を選んだ理由
- 呼吸器内科医の魅力
についてまとめました。
特に初期研修中は、医師としての進路に悩む先生がとても多いです。この記事が、悩まれる先生方のお役に立てれば幸いです!
今後も、良い医療を提供できるように、少しずつでも医師としての成長を続けていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。