【はじめに】
現役の呼吸器専門医で、2児の父として日々奮闘しています。
私たち夫婦は遠方に両親がいるため、育児のサポートをほとんど受けられません。
それでもなんとか夫婦で育児をしてきましたが、医師の仕事と家庭の両立の難しさに、何度も心が折れそうになりました。
この記事では、「子育て世代の呼吸器内科医が、仕事と家庭を両立するために転職活動を始めた体験談」をリアルに記事にまとめていきます。
こんな悩み、ありませんか?
- 「育児、家庭生活も大事にしたいけど、どうすればいいの?」
- 「仕事が忙しすぎて、家族と向き合えない・・・」
- 「今の職場から働き方を変えたい気持ちはあるけど、不安で動けない」
私はまさにそんな悩みを抱えて生きていました。
この記事は、30〜40代の子育て中の医師、とくに「忙しい勤務医として働く父親医師」「いまの働き方に悩んでいる医師」にこそ読んでいただきたい内容です。
少しでも、同じような境遇で悩まれる先生方のキャリア形成、生き方のご参考になれば嬉しいです!!
私が転職活動を始めた4つの理由
①家族との時間を大切にしたい
一番の理由は、これでした。
急性期総合病院の呼吸器内科医は、重症呼吸不全、肺がん診療を中心に、多くの緊急入院対応、当直・・・と、責任と負担が非常に重い仕事をこなしています。
日中の業務に加え、夜間や休日に呼び出し、救急外来の対応もあります。
状態の悪い患者さんがいれば、休日にも回診が必要です。
このように呼吸器内科医としての仕事に追われる日々が続いた結果
- 家族との時間が削られていく
- 妻に育児負担を強いる
- 休日の家族の予定を調整・キャンセル
- 家族で遠出できない
- 心身の疲労がたまる
- ゆとりのない生活
そんな日々が何年も続きました。
でも、下の子が小学校に入る前に、ふと立ち止まって考える機会がありました。
「このままの生活でいいのだろうか」
「今の働き方は、私と家族にとって幸せなんだろうか」
私は、「家族との時間を大切にした生き方をしたい」「もっと家族で旅行に行ったり、子どもの学校行事に参加したい」と感じるようになりました。
今の勤務環境で、仕事と家庭との両立が難しくなっていることに気が付きました。
②いまの職場に将来が見えなくなった
呼吸器専門医として更にスキルアップし経験を積むために今の病院に就職しました。
「ここでしか得られない経験がある」のは確かであり、多くの経験を積めました。
けれど、次第に現実から目を背けることができないことが増えました。
- 病院の方針、方向性と呼吸器内科の診療体制に大きなズレがある
- 同僚医師との協力関係が築けない現実があった
- 業務が一人に偏る構造的な不安
下手をすると、一気に私自身が追い込まれるような職場環境になってしまうリスクがあると悟ってしまいました。
「1年後も、ここで働いている自分が想像できない」
「このペースで1年たつと、業務量がどうなっているのか分からない」
そう感じたとき、働く場所を変える選択肢がリアルに浮かんできました。
③同僚医師との人間関係の壁
診療科内の同僚医師と、価値観やスタンスが合わないことも大きな理由です。
最低限の仕事との関係と割り切って働いてきました。意見が対立しないように私の意思、気持ちは抑えながら、最低限の業務上のやりとりはありましたが、やはりスムーズにいかない場面が多く、精神的な負担が大きかったです。
もし協力関係が築ける同僚だったら、呼吸器内科の診療体制を一緒に作っていく道も選べたと思います。
でも、現実はそうではなく、限界を感じました。
4位:生き方と価値観の変化
いままでは医師としての成長を中心にした生活でした。
でも、子どもとの時間、自身の時間や健康など、失っていることも多いと感じるようになりました。
「どんな時間を大事にしたいのか」
「どんな生き方をしたいのか」
を考えたときに、今の働き方では「幸せな人生」は実現しないと感じたのです。この問いに向き合ったことで、「転職してみよう」という決意が固まりました。
まとめ:まず「生活」を大事にする視点を
このように職場を変えようと考えることは、決して逃げではありません。
むしろ、「自分と家族の人生を大切にする前向きな選択肢」だと思います。
私は、自問自答し、家族(妻)と話し合い、今後の医師としての働き方と父としての役割を、改めて見つめ直すとても良い機会になりました。
もし今、同じように悩んでいる方がいたら、一度立ち止まって「医師として、一人の人間として、どんな生活を送りたいか」を考えてみてください!
そして、それを叶えるためにどんな働き方があるのか、相談してみることをおすすめします。