【呼吸器内科医が本音で語る】呼吸器内科医の大変なこと・つらいこと8選


呼吸器内科に進もうか迷っている先生から、こんな質問をよく頂きます。

  • 「呼吸器内科ってどんな感じですか?」
  • 「呼吸が苦しい患者さんを診るのは、やっぱりつらいですか?」
  • 「実際に苦労していることを教えてほしいです」

進路を決める前に、先輩医師のリアルな経験を知っておくことは非常に大切です。

しかしそういった情報を得る機会は、意外と少ないですよね。

この記事では、現役の呼吸器内科医である私が、仕事で大変だと感じていること・苦労していること・つらかった経験を、包み隠さずお伝えします。

進路選択の参考に、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事でわかること

  • 呼吸器内科医が日常的に感じる8つの大変さ・苦労
  • それでも呼吸器内科を続けるやりがいとは
  • 進路選択の際に知っておくべきリアルな視点

呼吸器内科医の仕事で大変なこと・つらいこと8選

実際に感じてきた大変さを、8つにまとめました。具体的にお伝えします。

① 医師不足による業務量の多さ

呼吸器疾患の患者数は年々増加している一方で、呼吸器専門医の数は全医師の約2%程度と少ないのが現状です。
当直・オンコール・外来・病棟管理が特定の医師に集中しやすく、慢性的な疲弊につながります。
実際に私の周囲でも、過重労働が続いて勤務医を辞める選択をした先生方を複数見てきました。

② 急変リスクと常なる緊張感

呼吸器疾患は、その名の通り「呼吸」に直結します。
肺炎や重症の間質性肺炎・ARDSなどでは、数時間で呼吸状態が急激に悪化することも珍しくありません。

常に急変を念頭に置きながら診療する必要があるため、精神的な緊張が途切れない点が、呼吸器内科の大きな負荷の一つです。

③ 知名度の低い疾患の説明の難しさ

「肺がん」は患者さんも家族も病名として理解しやすいですが、「特発性間質性肺炎」「非結核性抗酸菌症(NTM)」「過敏性肺臓炎」などは一般の方への認知度が低く、病状説明に多くの時間と工夫が必要です。

特に間質性肺炎の急性増悪は致死率が高い割には、認知度が低く、予後の説明を行う際には、毎回言葉を選びながら慎重に対応しています。

④ 患者さんの苦しみを目の当たりにする

「息ができない」「咳が止まらない」「話すだけで苦しい」
——呼吸器内科では、こうした根源的な苦しみを抱える患者さんを継続的に診療します。

病状が進行すると薬剤でコントロールできなくなるケースもあり、苦しむ患者さんの前で「もうできることがない」という状況に直面することは、医療者として辛く感じるシーンです。
これが呼吸器内科の人気がやや低い理由の一つではないかとも感じています。

⑤ 予後が悪い疾患が多い

呼吸器内科が扱う疾患の多くは、残念ながら予後が厳しいものが少なくありません。

疾患予後の特徴
肺がん進行期での5年生存率は依然として低く、他臓器がんと比較しても予後不良
特発性肺線維症(IPF)中央生存期間は診断後3年程度
間質性肺炎の急性増悪院内死亡率が高く、集中治療を要することも多い

「治療をしても治らない」という現実と向き合うことは、呼吸器内科医として避けられない苦労です。

⑥ 終末期・看取りに関わる機会が多い

呼吸器内科は、他の内科系診療科に比べて患者さんの人生の最期に立ち会う機会が多い診療科です。

特に、比較的若い患者さんや、家族の要として活躍されていた方が急激な経過で亡くなる場面では、医師としても深く心が痛みます。
看取りに慣れることはあっても、慣れきることはない——これが正直なところです。

⑦ 医師としての無力感

医療は日進月歩で進歩していますが、末期の肺がんや難治性の肺疾患では、「もうできることがない」と感じる瞬間が確実に訪れます。

ベストを尽くしても結果が伴わなかったとき、医師としての無力感を感じることは、この仕事を続ける上で最も精神的につらい部分の一つです。

⑧ 感染症への曝露リスク

呼吸器内科では、インフルエンザ・結核・各種ウイルス性肺炎・COVID-19など、飛沫・空気感染するリスクの高い感染症を日常的に扱います。

自分自身の感染リスクだけでなく、家族への二次感染の可能性も常に意識しなければならず、特に子育て中の医師にとっては大きな心理的負担になります。

それでも呼吸器内科医を続けるやりがい

大変なことばかり書いてきましたが、それでも私が呼吸器内科医を続けているのは、確かなやりがいがあるからです。

  • 患者さんの笑顔を見られるとき——息切れが改善して「先生のおかげで散歩できるようになりました」と言ってもらえる瞬間は、何ものにも代えがたい喜びです
  • 治療効果を実感できるとき——肺炎が改善してICUから一般病棟へ戻る患者さんを見ると、達成感を強く感じます
  • ご家族から感謝されるとき——最期の時間を支えられた、丁寧に説明してもらえたと感謝の言葉をいただくと、この仕事を選んでよかったと思えます

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まとめ:呼吸器内科医のリアル

今回は、現役の呼吸器内科医として日々感じている大変さ・苦労・つらさを8つにまとめてお伝えしました。

呼吸器内科は、業務量が多く、急変対応・終末期医療・難治性疾患と向き合う機会が多い、責任の重い診療科です。それでも、患者さんの回復と感謝が、医師としての大きな原動力になります。

進路を検討中の先生方には、ぜひこの現実も踏まえた上で、自分の将来像と照らし合わせて考えてみてください。

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私が呼吸器内科医になって良かったこと15選!

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