【進路に悩む研修医の先生へ】呼吸器内科医の仕事内容と特徴を解説!

【はじめに】

初期研修医、内科専門医研修中の先生の中には、「今後どの内科の専門医を目指すのか」で悩んでいる先生が本当に多いです。呼吸器内科にローテーションしている研修医の先生たちからは、「将来どの科を選んだらいいのか分からない」という悩みをよく受けます。

この記事では、進路に悩む若い先生(初期研修医~内科専門医研修中)に向けて、市中病院の呼吸器内科医の仕事内容と特徴を解説します。この記事を通して呼吸器内科医のことを知ってもらい、内科系で進路を悩んでいる先生方の進路選択の参考になることを目的にします。

この記事は、急性期の市中病院で10年以上の呼吸器内科診療をしている私が、経験を踏まえて解説していきます!勤務医(臨床医)の視点からまとめますのでご参考にください!

市中病院の呼吸器内科医の主な仕事内容、特徴を解説!

1)呼吸器内科疾患で入院した患者の診療

勤務医の仕事で大きな割合を占めるのが、入院・病棟・外来業務です。

呼吸器内科で主に担当する疾患としては、肺感染症(細菌性肺炎、非定型肺炎、結核、非結核性抗酸菌症、真菌症など)、胸膜炎・膿胸、肺がん・胸膜腫瘍、気管支喘息・COPD、びまん性肺疾患(間質性肺炎)、膠原病、呼吸不全、気胸・胸膜疾患など多岐にわたる病態を扱います。

呼吸器疾患で困る患者は本当に多く、診療の中心は入院病棟業務になります。

2)幅広い年齢の診療を行う

高齢者になり、各種疾患が進むと肺に合併症を起こしてきます。最終的には何らかの肺疾患に罹患する方が多いです。

また、高齢者だけではなく、若い世代の診療も多いのも特徴です。例えば、10代~20代では気胸や肺炎、気管支喘息の方々も日常的に診療する機会があるのも特徴です。

このように日常臨床で若い世代~高齢者、疾患の終末期まで幅広く対応をする診療科です。幅広い知識、経験、スキル、判断力を求められる診療科です。

3)結核、真菌症などの肺感染症の診療

呼吸器内科では、肺結核、結核性胸膜炎を診療する点が他の科と異なる特徴です。稀にあるのが、他の科で結核感染と診断された症例(肺外結核)で、「自分の科では結核を診療したことがない。結核治療の仕方が分からないので結核治療経験のある呼吸器科で治療をしてほしい」という依頼が来ることもあります。このようなケースでは他科と連携しながら治療を進めることもあります。

他には、肺アスペルギルス症、ニューモシスチス肺炎などのやや特殊な感染症も診療する機会があります。感染症に興味がある先生は、合っている診療科だと思います。

4)他科からの呼吸器疾患の相談に対応

他科で診療中に出現した肺結節や縦隔リンパ節腫大などの胸部異常影、抗菌薬で治らない肺炎、間質性肺炎が疑われる症例、肺生検や縦隔リンパ節生検依頼、肺結核が疑われる患者の相談、胸水貯留の原因検査、酸素化が改善しないなどの相談をうけています。

他科から受ける、「肺に関する悩み事」は、本当に多いのが現状です。

5)緊急入院の対応

救急外来、近隣の開業医からの呼吸器疾患の紹介症例への対応をします。

6)気管支鏡検査

何といっても呼吸器内科のメインの検査は気管支鏡検査です。決まった曜日の時間帯に、呼吸器内科の同僚の先生と協力して検査を行っていきます。

他にも緊急で入院した症例に対し、気管支鏡、処置を行うこともあります。

7)カンファレンスで情報の共有、症例の確認、相談を行う

施設毎に異なると思いますが、新規入院の診療内容の共有、予定の気管支鏡検査症例の確認、呼吸器外科(放射線治療科や病理診断科)と合同カンファレンスを行い治療方針を決めていきます。また困っている担当症例の相談を行い検討していきます。

8)呼吸器内科の初診外来

呼吸器内科研修中や、ある程度呼吸器内科医として経験を積むと、初診外来を担当します。呼吸器内科医の人数は少ないため、総合病院の呼吸器科外来に患者が集まり、忙しく時間が過ぎていきます。

9)呼吸器内科の再診外来

入院で治療導入した方を、引き続き外来で治療をします。例えば、肺癌の外来化学療法、間質性肺炎増悪後のフォローなどですね。また開業医では診療が難しい難治性喘息の方などは、外来で経過を診ていきます。

10)時間外のオンコール対応

病院により異なりますが、困った症例の相談、場合によっては診療も行うこともあります。

11)ローテーション中の研修医の指導

呼吸器内科にローテートしている研修医の先生方の指導を行います。

12)見学する医学生の対応

病院見学に来た医学生の対応を行います。病院の特徴、働いてどうか、呼吸器内科の診療内容をお話します。適宜学生さんからの質疑に応えていきます。

まとめ

今回は、内科系で進路に悩む研修医の先生方に向けて、呼吸器内科医の仕事内容、特徴について解説してみました。呼吸器内科に興味がある先生、呼吸器内科に進もうか迷っている先生方の参考になれば幸いです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。