医学生・若手医師必見!将来の専門診療科を決める際に考えておきたい8つのポイント

【はじめに】

多くの医師は初期研修医、専攻医の時に、将来専門とする診療科を決める必要があります。

医師人生を大きく左右する重要な決断です。

でも、どのように選んでいけばいいのか、悩む若手の先生方はとっても多いのが現状です。

そこでこの記事では、将来の専門診療科選びで後悔しないために考えておきたいポイントを解説します!!

この記事を読むと、若手の先生方が進路を決める上で重要なことを認識できるようになり、後悔しない進路を歩み始めることができるようになります。

この記事は、現役の呼吸器内科医が働きながら感じていることをもとに書いていきます。

ぜひ、進路に悩まれている先生方のお役に立てれば幸いです!

この点は考慮したい!現役医師が伝える「将来の診療科選びのポイント」

まだ進路を決めていない、悩んでいる先生方は、ここで私がご紹介する「診療科選びのポイント」を参考にじっくりと進路を考えてみてください。

急性期総合病院で10年以上勤務してきた中で、私自身が体感していること、多くの研修医の先生に出会いアドバイスをしてきたこと、今まで指導を頂いた先生方と話してきたこと、私自身が指導する立場になり感じていることをお伝えしていきます。

進路選びの際に考えたい8つのポイント:

  1. 「将来も需要がある診療科か?」
  2. 「専門医数は増えそうか減りそうか?」
  3. 「AIの影響はどこまでありそうか?」
  4. 「専門性の高い手技はあるか?」
  5. 「専門医を取るためにハードルが高いか?」
  6. 「興味がある診療科か?」
  7. 「ローテートして充実感があったか?」
  8. 「働いている姿を想像できるか?」

という8つの視点です。

それぞれ解説していきます。

1.将来の医療ニーズを見据える:将来も需要がある診療科か?

まず考えるべきは、今後も社会からのニーズが高い診療科であるかどうかです。

需要が減っていく診療科は、働く場所や収入も減っていくことが予想されます。

日本は超高齢社会に突入し、今後も高齢者に多い疾患(循環器疾患、呼吸器疾患、脳神経疾患、整形外科疾患、内分泌・代謝疾患、腎臓疾患)のニーズは高いだろうと予想されます。

一方で、少子化には歯止めがかからない状況になっており、子どもの絶対数は減ります。小児科医の需要は減っていくことが予想されます。

少子高齢化の他に、将来的に医師余りになる可能性も考慮する必要があります。

医師が余り、社会のニーズが減れば、給料は減ります。働く場所も限られます。

2.専門医数の将来予測:飽和する診療科、不足する診療科

希望する診療科の専門医数が将来的にどのように変化するかを予測することも重要です。

志望者数、専門医数の増加傾向にある診療科では、将来的に競争が激化する可能性が高いです。
最近では勤務負担が少なく専門医を取得しやすい診療科、マイナー科、一部美容外科への流れがあります。このような診療科では、将来的に医師の需要が減るリスクがあります。

3.AI(人工知能)の影響はどうか?

近年、医療業界においてもAIの導入が進んでいます。

将来の専門診療科を選ぶ際には、AIの影響を考慮することは不可欠です。

AIによる鑑別診断、画像診断をサポートする領域は広がっています。手技では、例えば内視鏡検査領域でも導入が進んできています。
今後も次々と診断・治療・手術支援(手術支援ロボットの開発など)領域へ拡がっていくはずです。

しかし、高度な判断力や臨機応変な対応、患者・ご家族とのコミュニケーションといった部分は、AIには代替できないと感じています。このような仕事を求められる診療科は、将来も重宝されると感じています。

4.手技の重要性

外科系診療科(外科、脳神経外科、心臓血管外科、胸部外科、整形外科、耳鼻科など)や、内科系でも内視鏡検査・治療やカテーテル治療など、高度な手技が求められる分野は、当分の間は、AIによる代替が難しいと感じています。

他の医師との差別化を図るためには、手技がある診療科を選ぶのはポイントだと思います。

5.専門医取得のハードルが高いか

専門医を取得するためのハードルがある程度高い診療科では、参入障壁が高くなり、専門医としての価値が高まります。

専門医取得にハードルがあるからこそ、専門医の価値が出てきます。

逆に取得しやすい専門医の価値は低いです。

専門医の資格は、将来の先生方の強みになり、生活や人生を守ってくれる手段になります。

先生方が目指そうとしている診療科の専門医取得のハードルはどうですか?

6.興味がある診療科か?

最終的には、やはり興味がある診療科かどうかは、一番大事にした方がいいと思います。

医師の仕事は、つらく、厳しいことも多いです。

少なくとも興味がなければ、踏ん張り、耐えることができないだろうと感じています。

やりたいこと、興味があることも大切にして進路を決めていってくださいね!

7.ローテートして充実感があったか

研修期間にローテートして充実感があった診療科は、先生方の性格に合っている可能性のある診療科だと思います。

8.働いている姿を想像できるか?

10年後に、その診療科で働いている姿をイメージできるでしょうか?

イメージできるのであれば、その道に進めばいいと思います!

まとめ:多角的な視点から将来の専門診療科を検討しよう

この記事では、私が実際に若手の先生方にアドバイスをしている将来の専門診療科選びで後悔しないために考えておきたいポイントを解説しました。

将来の専門診療科選びは、自身の興味や適性だけでなく、今回ご紹介した「将来の医療ニーズ、専門医数の動向、AIの影響、専門医取得のハードル」など、多角的な視点から検討することも大切です。

ぜひ、初期研修、専攻医の間に、大いに悩んでください!

悩んだ経験、過程は、きっと先生方の大きな財産になるはずです!

将来、やりがいを持って活躍できる診療科選びができることを願っています!

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