この記事では、転職を検討する子育て世代の医師に向けて、病院見学で必ず確認すべきポイントを解説します。
この記事で得られるメリットと結論
この記事を読むことで、子育て世代の医師が転職活動で「働きやすい病院」の見極め方が分かり、病院見学で必ずチェックすべき具体的な視点を整理することができます。質問例や体験談を通じて、後悔の少ない転職につながる行動が取れるようになります。
結論:子育て世代の病院見学では、給与や当直回数以上に「子育てと両立できる環境か」「自分が望む働き方を実現できる職場か」を多角的に確認することが不可欠です。
病院見学の重要性
求人票やエージェントから得られる情報だけでは、現場のリアルな働きやすさは分かりません。特に子育て世代の医師にとっては、当直や残業の実態、育児休暇や代診体制の有無といった情報が重要です。
病院見学は、自分と家族の未来を守るための「現地調査」と位置づけましょう。
病院見学でチェックすべきポイント(子育て世代の視点)
① 子育てと両立できる環境
- 育児休暇の取得実績があるか(制度だけでなく実際に利用されたか)
- 子どもの体調不良時に代診できる体制があるか(チーム制・バックアップ医)
- 子育て世代の医師が実際に勤務しているか
実際に「育児休暇を取得された先生はいらっしゃいますか?」と尋ねると、その病院の雰囲気や理解度がよく分かります。
② 勤務実態・タスクシフト・残業時間
- 当直やオンコールの実際の回数と代休の有無
- 診断書・保険資料などの事務作業を事務職員に任せられるか(タスクシフトの有無)
- 残業時間の平均(「定時で帰れるか」より「月にどれくらい残っているか」を確認)
タスクシフトを進めて、整っている病院では、事務作業に追われることが少なくなります。医師の残業が多くなる一因には、多大な事務書類作成、レセプト業務ですので、ぜひ確認しておきましょう。
③ 職場の雰囲気と人間関係
見学時に感じる医局の空気感やスタッフ同士の関係は、日々の働きやすさに直結します。看護師や事務職が医師と会話したり気軽に相談できているかも重要なポイントです。
④ 経営の方向性・病院の将来性
経営の安定性や病院のビジョンは、数年後の働きやすさを左右します。
先生自身のキャリア希望も合わせて考えてみてください。
⑤ 設備投資・リソース配分
電子カルテやオンライン会議など、医師の効率化につながる設備に投資しているかどうかも要確認。
私の経験では、電子カルテが使いにくい病院は、病院として設備や人に投資する意向が低く、結果的に働きにくい環境につながっている病院が多い印象です。
働きやすさに影響する部分ですので、確認しておくことをお薦めします。
見学時に使える質問例
- 育児休暇を取得した実績はありますか?
- 子どもの急病時に代診できる体制はありますか?
- 残業は月平均でどのくらいですか?
- 当直明けはどのような勤務形態ですか?
- 診断書などの事務作業はスタッフがサポートしていますか?(医師のタスクシフトの取り組み)
- 今後、病院としてどの分野に力を入れていく予定ですか?
体験談:2つの病院を比較見学して気づいたこと
私は2つの病院を見学しました。
A病院:急性期主体である程度の設備が整っていたものの、診療内容に比べて医師数が少ない。診療科で医師数に偏りが大きく、忙しさに差がありそう。残業も多く、育児休暇の取得実績はなし。
B病院:慢性期主体で、リハビリ、療養にも注力。子育て世代の医師は少ないが、代診体制も整っている。夏季休暇や有給休暇は取りやすく、代診制度もある。残業も少なめ。見学の時点で「ここなら両立できる」と直感しました。
条件面だけでは見えない「働きやすさの差」を、実際の病院見学を通じて確認していくことが大切です!
後悔しない転職のための心構え
- 完璧な病院は存在しない。譲れない条件を明確にする。
- 求人票やエージェントの言葉を鵜呑みにせず、自分の目で確かめる。
- 子育てとキャリアの両立を見据えた質問を必ず行う。
まとめ
病院見学は、求人票では絶対に分からない「働きやすさ」を見極める機会です。
子育て世代の医師は特に、
- 育児休暇の取得実績
- 子どもの急病時の代診体制
- 残業時間の実態
- タスクシフトの有無
- 病院の経営方針や設備投資
を重点的に確認することで、転職後の後悔を大きく減らせます。
「ここなら医師としてのやりがいと、家族との時間を両立できそう!」
そう思える職場に出会えるよう、病院見学を最大限に活用してくださいね。
