呼吸器内科医の大変さ、苦労、つらいことをお伝えします

【はじめに】

呼吸器内科に限らず医師の仕事は、やりがいがあると同時に、大きな責任とストレスを伴う仕事です。

医師になる前には医師のやりがいや、大変さは分かりません。それと同様に、呼吸器内科医にならないと、呼吸器内科医のことも分かりません。

時々、研修中の先生から以下のような質問を頂くことがあります。

  • 呼吸器内科医ってどうですか?
  • 呼吸が苦しい患者さんを診療するのって大変だと感じますが、つらいことって何ですか?
  • 呼吸器内科医になってつらいこと、苦労したことについて聞きたいです

これから進路を決めていく先生方が、先輩医師の経験について知ることは、重要なことです。

ですが、なかなかそのような経験を知る機会って少ないですよね。

そこでこの記事では、上記のような不安や疑問をもった若手の先生方に対して、私が呼吸器内科医の仕事で大変だと感じていること、苦労していること、つらかったことについて記事にまとめてみます。

実際に呼吸器内科医で働いている私の経験を振り返りながら記事にしますので、生の体験談としてとても参考になるはずです!

ぜひ一読いただき、皆さんの進路の参考に頂ければ幸いです!

呼吸器内科医になって感じている大変さ、苦労、つらいこと

呼吸器内科は医師不足の診療科のため、業務量が多くなる

呼吸器系疾患の数は多い一方で、呼吸器内科医の数は少ないのが現状です。そのため業務負担が集中することがあります。仕事に疲れて、勤務医を辞めていく先生方もおられました。

患者さんの容態は日々変化するため、緊張感を持って仕事に取り組む必要がある

呼吸器疾患は、その名の通り呼吸に直結する疾患を診療するので、時に短時間で呼吸状態が悪化し、急変することもあります。特に肺の状況が悪い場合には、急な悪化がありえます。そのため、医師にも精神的な負担が大きくかかることがあります。

呼吸器疾患の知名度の少なさにより、病状が伝わりにくいことがある

患者さんや家族に説明する際に、「肺がん」は病名として伝わりやすいですが、「間質性肺炎」や「非結核性抗酸菌症」などは一般の方にとって、認知度が低く、病状説明が難しいことがあります。間質性肺炎の急性増悪時には、致死的になる可能性が高く、家族に疾患、病状を説明する際に、かなり苦労することがあります。

患者さんの苦しみや不安を目の当たりにする

「息ができない」「咳が止まらない」「痰が出せなくてつらい」「話すだけでも息が苦しい」などのように、常に苦しむ患者さんを診る必要があります。病状の進行期には、薬剤でどうすることもできない状況になってきます。苦しい患者を診るのは、医療者側もつらいんですよね。

呼吸器内科が人気がない理由でもあるかなと感じています。

疾患の予後の悪さ

呼吸器疾患は予後が悪く、患者背景が悪い方が多いので、治療をしても治らないケースもよくあります。具体例を挙げると、肺がんは、他の臓器のがんと比較しても、まだまだ予後不良の疾患です。また間質性肺炎は急性増悪を発症すると致死率が高い疾患です。肺炎などの呼吸器疾患に罹患するたびに、徐々に肺機能が悪化していきます。このように、呼吸器疾患の予後は悪いので、つらい経験をすることが度々あります。

終末期、最期を診療する機会が多い

呼吸器内科は、他の診療科に比較すると、患者さんの最期に立ち会う機会が多い診療科です。

特に、比較的若い方、家族の大黒柱の方、急な経過で致死的な経過をたどられる方を診療する際には、特につらいと感じます。

自分の力不足を感じたとき

医療が進歩しているとはいえ、すべての患者さんを治すことはできません。特に末期がんや難治性の肺疾患など、治療の限界を感じることが多く、医師としての無力感を抱くことがあります。

感染症のリスク

新型コロナウイルス感染症をはじめ、様々な感染症のリスクに常にさらされています。様々なウイルス感染によって肺炎になった症例を担当する機会が多いため、自分自身だけでなく、家族にも感染させてしまう可能性があります。

呼吸器内科医の仕事でやりがいを感じること

呼吸器内科医は、患者さんの苦しみや不安を目の当たりにすることも多く、精神的に辛い場面に遭遇することも多くあります。それでも、呼吸器内科医としてやりがいを感じていることは、患者さんの笑顔を見ることができたり、治療効果を実感することができたりすることです。

  • 患者さんの笑顔を見ることができたとき
  • 治療効果を実感できたとき
  • 患者さんの家族から感謝されたとき

診療がうまく進んだり、患者さんや家族から感謝されたときには、とても嬉しいですよ。

まとめ

今回は呼吸器内科医の仕事で大変だと感じていること、苦労していること、つらかったことについてまとめました。

呼吸器内科は、忙しく、難治性疾患、重症、終末期を診る機会が多い診療科で、苦労も多いです。しかし、患者さんの笑顔を見ることができたり、感謝をされたり、治療効果を実感することができたりすることで、やりがいを感じることができます。

呼吸器内科医は、患者さんのために全力を尽くすことができる、やりがいのある仕事です。

呼吸器内科医になることを検討している方は、上記の情報を参考に、慎重に自分の将来について考えてみてくださいね!

私が呼吸器内科医になった理由について記事にしているので、併せて読んでみてください!

進路に悩む医師必見!私が呼吸器内科を専門に選んだ理由

またこの記事と逆で、呼吸器内科医になって良かったことについても、ぜひ一読ください!

私が呼吸器内科医になって良かったこと15選!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。