【内科研修医向け】呼吸器内科医に向いていない先生の特徴6選|現役専門医が本音で解説

内科研修を進めるなかで、サブスペシャリティをどこにするか悩んでいる先生は多いと思います。
以前呼吸器内科医に向いている先生の特徴15選を記事にしましたが、今回はその対になる視点として、呼吸器内科医に向いていない先生の特徴をまとめました。

自分の性格・志向と診療科のミスマッチに早く気づくことは、医師人生のスタートにおいて非常に重要です。
急性期病院で10年以上、現在は専門医として診療を続ける私自身の体験も交えながら、簡潔にお伝えします。
なお、この記事は、私の私見たっぷりで述べておりますので、ご容赦ください。

この記事でわかること:

  • あまり呼吸器内科医に向いていない先生の特徴
  • 呼吸器内科を専門にすると苦労してしまう先生の特徴

呼吸器内科医に向いていない先生の特徴6選

1. がん診療がどうしても嫌な人・苦手な人

呼吸器内科は肺がん診療と切り離せません。
そして肺がんだけではなく、他臓器由来の進行がん(多発肺転移、胸水貯留など)の患者も診療する機会に遭遇します。
診断・薬物療法・緩和ケアまで一連の過程に深く関わり、がんを診ない呼吸器内科医はほぼいません。

ローテートしてこられる研修医の先生方や、色々な先生に専門を選んだ理由を訊くと、
「私はどうしても肺がん患者さんを診ることができなかった。つらく感じた」
「学生実習や研修中に受け持った肺がんの方は、最期、本当に苦しそうだった」

「なるべく、がん診療をしない内科を選びたかった」
というように、生理的にがん診療を受け付けることができない先生がおられます。
このような先生は、呼吸器内科を選ばないほうが良いと思います。

2. 呼吸困難を訴える患者さんの診療がどうしてもできない人

上記1.と似ている部分ですが、”呼吸困難への対応”は呼吸器内科診療の中心です。
COPDの増悪、間質性肺炎の急性増悪、気胸、重症肺炎など、「息が苦しい」という訴えへの対応が診療の中心になります。

やはり、息苦しそうな患者さんを前にすること自体に強い苦手意識がある場合、生理的に受け付けることができない先生はおられます。
この科で日々診療を続けるのは精神的に厳しくなると思います。

3. 長期的な患者との関係構築が苦手な人

慢性呼吸器疾患の患者さんとは、何年、時に何十年も付き合います。
生活背景や価値観を踏まえて治療方針を少しずつ調整していく診療です。

例えば、当初、症状が強くて困っておられた喘息やCOPDの患者さんが、禁煙や適切な吸入の継続で安定して社会生活を維持でき、感謝をいただけるのは、呼吸器内科ならではの手応えです。
逆に、短いスパンで患者が入れ替わる科を好む先生には、ストレスになりやすいかもしれません。

4. 緩和ケアに関わる診療に興味が持てない人

呼吸器内科では、肺がんをはじめとする進行期疾患で、症状緩和や終末期のケアに継続的に関わる場面が少なくありません。治癒を目指す治療だけでなく、苦痛をどう和らげ、残された時間をどう支えるかという視点が常に求められます。

緩和ケア領域そのものに関心が持てない、できるだけ関わりたくないという先生にとっては、苦手な場面が多くなりやすい分野です。

5. 総合内科医のような幅広い診療スタイルが肌に合わない人

呼吸器内科は感染症・腫瘍・アレルギー・膠原病関連肺疾患・気管支鏡分野など扱う領域が広く、総合内科に近い幅広い視点が求められます。
肺だけでなく全身を診る姿勢が自然と必要になります。

一つの狭い領域だけを深く極めたい、「広く診る」スタイルがどうも肌に合わないという先生には、扱う範囲の広さがストレスに感じられることが多くなると思います。

6. 医師不足で患者数の多い診療科を避けたい人

呼吸器内科は専門医が少ない一方、対象となる患者数は非常に多い分野です。
他の臓器のがんも、最終的に進行してくると肺の合併症をきたすことが本当に多いです。
最終的に呼吸器内科で入院になったり、診療を求められることが多く、自然と一人当たりの業務量は重くなりやすく、忙しい環境になりがちです。

呼吸器内科医は不足しており、社会的な需要も高いですが、「人手の足りない忙しい科は避けたい」という志向が強い先生には、合わないと思います。

当てはまったら向いていないのか?

以上、私が個人的に思う「呼吸器内科に向いていない先生の特徴」について、多くの呼吸器科にローテートされた先生を指導してみて感じたことを厳選してまとめてみました。
ひとつでも当てはまっていたら呼吸器内科に向いていないということでは決してありません。
経験を積むうちに慣れていくこともよくあります

大切なのは、その項目が「研修を重ねるなかで克服できそうか」、それとも「自分の根本的な価値観と相反するか」を見極めることです。
特に1番(がん診療)と2番(呼吸困難の診療)に強い抵抗がある場合は、呼吸器内科の核心と相反する可能性が高く、他のサブスペシャリティも含めて慎重に検討する価値があると思います。

まとめ

呼吸器内科は、がん診療・緩和ケア・慢性疾患の長期管理・総合内科的な幅広い視点など、多面的な対応力が求められる診療科です。
これから進路を選ぶ先生、進路に悩む先生にとって、少しでも判断の参考になれば幸いです。

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